作業ズボンのヒップの補修ついて

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作業ズボンというと皆さん丈夫で動きやすい物をよく選ばれると思うのですが、それでも『お尻を引っ掛けて破いちゃった…』『股の部分が薄くなってきて…』等というようにヒップ部分がダメになってしまう経験がある方も多いはず。

今回は毎日使う消耗品だからこそ、破かず長持ちさせることができるように対策をご紹介したいと思います。

『ディッキーズの作業ズボンが大人気!』


よく破れる箇所

ズボンが破れる箇所というと、まずは『お尻の縫い目部分』を想像する人が多いのではないのでしょうか。作業ズボンはスラックスなどと比べてゆったりとしたデザインの製品がほとんどですが、それでもやはり縫い目は弱点となりますので、座ったり屈んだりすると負荷がかかり縫い目が裂けてしまうことがあります。

また、『後ろポケット』が破けてしまったりすることや『股の部分』が薄くなってきて破れる、ということがよく見受けられます。転んでしまって膝部分を…ということももちろんあるでしょうが、やはり『ヒップの周辺』がズボンのよく破れる箇所ではないでしょうか。

後述する内容は作業着だけでなくズボン全てに当てはまる内容も多いかと思いますので普段の皆さんの生活にあてはめて参考にしてみてください。

破れる要因

では次に要因についてです。毎日使う消耗品の為様々な要因が考えられますが大きく分けると①サイズが合っていないから縫い目が裂ける②後ろポケットに固いものや尖ったものがあり破れる③普段動く中での摩擦④転んでしまうなどの不注意の4パターンが挙げられます。

④の不注意は怪我も心配なのでとにかく注意して下さい!としか言えないのですが、それ以外ある程度は対処方法があるので参考にしてください。

①縫い目が裂けてしまわないように対策

そもそも購入時のサイズが合っていないだけじゃないか、と思われるかも知れませんが、その上で『体のどの部分に合わせて購入するか』ということが大事になってきます。オーダーなどもできるスラックスと違い、既製品がほとんどでサイズの幅も少ないので『ウエストに合わせるとヒップがキツい』などということがちらほら出てきます。

そういった場合、腰よりもお尻の方が身体の動きが出やすい部分なので『ヒップサイズに合わせて服を購入する』ことが重要です。

また、ウエストのサイズ直しはヒップ部分のお直しよりも安く済むことが多く、そもそもベルトを使えばウエストはある程度調整ができる部分なのでヒップに合わせて購入すると良いでしょう。さらに、購入後に『補修シート』をお尻から股にかけてズボンの裏側に貼り付けておくことも有効です。

約200円ほどと安く購入できる物も多く、付け方もアイロンで貼り付けるだけと非常に簡単にできるものがほとんどなのでオススメの対策です。また、ヒップ部分をお直しに出す場合には業者にもよりますが、大体2000円程で行なってくれる所が多いようです。

縫い目が裂けた際には1000円程度で済む場合が多いようなので、万が一縫い目が裂けてしまった際にはお直しやさんに持っていくと良いでしょう。

②後ろポケットの対策

こちらは使い方次第とも言えますが、とにかく『座る時にポケットの中身を出す』だけで破れるリスクが大きく減ります。めんどうだと感じるかも知れませんが、身体の構造は座った時が1番お尻が大きく張った状態になりますので、その際に尖った物や固いものなどがあると生地が負けてしまい破れてしまいます。

ペンはもちろんですが、ポケットの中あることの多いスマートフォンもカバーによっては角が角ばっている物も多くあります。そういった製品を使用している方は特に注意しておくといいでしょう。ポケットの破損はポケットがズボン自体と同じ生地で作られているか、独立して作られているかによってお直しの方法が変わってきますし、中側か外側かによっても違ってきます。

自宅でできる補修として中側であれば、前述した補修シートを貼り付けるだけの作業で簡単に修理ができます。ズボンとポケットが外れてしまった際や外側が破けてしまった場合は補修シートだけでは心許ないことも多いのでお直しに持っていくことがおススメです。

また完全に穴が空いてしまった場合は『かけはぎ』というおよそ8000円程度かかる高い修理となる可能性もあるので、やはり破れないようにしておくに越したことはありません。独立して作られているポケットの場合はポケットだけを別布で縫ってもらうこともできますし、その方が穴の補修よりも安くすむことがほとんどです。

③摩擦の対策

摩擦に関しては体型も大きく関係してきます。太もも部分の擦れは①の対策であった『ヒップサイズに合わせて購入する』や『補修テープを貼っておく』ということで擦れて破れることは少なくなりますが、日常的に自転車に乗っている人はもう一つ対策をしておくといいでしょう。

というのも、自転車に乗っているとどうしてもサドルが摩擦を引き起こします。毎日乗っていると接触部分の生地が薄くなり、最終的にズボンに穴が空く原因となります。補修テープでの対策ももちろん有効ですが、自転車を活用する方に関しては『サドルカバー』を付けることで起こる摩擦を劇的に少なくすることができます。

こちらも様々なタイプの製品が販売されていますが、1500円前後で購入できる物が多く『ズボンが擦れないサドルカバー』などと検索してみると目的に合ったものが見つけられると思います。作業着だけでなくスラックスやジーンズなどを長持ちさせる方法としても非常に優秀で、自転車に乗ることが多い学生さんにも是非試して欲しい対策です。

よくズボンのお尻部分が少しテカっている方を目にしますが、それを見て私も学生時代によくなっていたのを思い出しました。自転車を漕ぐことが原因と気づき、サドルカバーを実際に使用してみたのですが、お尻部分のテカリなども防げますし、擦れることで生地が薄くなることも防げます。

サドルカバー自体も結果的に自転車を長持ちさせることができるようにもなり、オススメの対策です。

④転んだり破れた場合

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転んだり、と書きましたが実際には作業中にクギや木などひっ掛けてしまう可能性の多い現場で作業している方も多いはずです。対策ではないのですが、穴が開いてしまった際の応急処置として①ホッチキスで留める②テープでふさぐの2つです。

ホッチキスは縫い目の裂けに効果的で裏側から少し布を余らせて留めることでほとんど裂けたことがわからない程度になります。テープに関しては破けてしまった時の対処として使用しますが、裏表の両面からすることで強度も保てます。

見た目がどうしても不格好になるのであくまで応急処置として覚えておくと良いでしょう。